2006年03月26日

違和感

僕の友人は沖縄で民間観光案内所「earthtrip」を経営している。

今日は彼が企画した日本縦断ツアーのゴールの日ピカピカ

そして夜は報告会も兼ねたイベントが行われた。

今回の旅のキャッチフレーズは「やっぱりいいね、日本」沖縄本島

彼らの旅はこの言葉で始まり、この言葉で終わった。

「やっぱりいいね、日本」


ツアーに参加したメンバーも次々に自分がいいと思った事を話し、イベントに来ていたお客さんも、それを聞いてうなずいていた。


何か違和感を感じた...


そこには、いい事を話さないといけないという参加者たちと、彼らが話すのはいい事だろうと思っているお客さんという空気が出来上がっていた。

会場に来ていたお客さんは日本人だけ。
要するに、そこには日本人の価値観というある一定の特殊な価値基準が出来上がってしまい、ツアー参加者たちは、その空気を読みながらそれに合うような発言を自ずとしてしまうものだと思う。

「○○××でした。」

「いいですね」

「なんとかなんとかでした。」

「いいですね」

「かくかくしかじかでした」

「素晴らしいですねピカピカ


う~ん、ごめん、つまらんっパンチ!

旅ってそういうものなのか?

少なくとも私の旅は違っていた、いい事も悪い事もたくさんあったし、そもそもいいとか悪いって人に決められる事じゃなくて自分で決める事だ。

会場が、「それは悪いだろっ!」と思っても関係ない。

本人にとってはいい事なのかもしれないのだから。

※べつにearthtripや参加者の文句を言いたいわけじゃない。同じルートを辿ったとしても、それぞれがそれなりに違う旅をしてきたはずだ。

自分の旅を素直に表現できなくなってしまって、逆にかわいそうなぐらいである。



ただ、日本の講演会やワークショップには往々にして同じような空気が流れるし、それを崩す事は自分の人間性を疑われてしまうため大変な勇気が必要だ。

そうすると、ある一定の価値基準のもとでしか話ができないので、本当に聞きたい講演者の生の声が聞けなくなってしまう。



もったいない。



せっかくお金払ったのだから今まで自分になかった考え方や視点を学んで帰りたい。
しかし、「あ~それいいですよね~」と納得できるという事は、もともとある価値基準のなかに上乗せしただけで、その枠は広がらない。

だけど、僕もその空気を壊す事はできなかった。

なぜなら、参加者の皆さんは一つの事をなしとげたという満足気な顔をして幸せそうだったからだ。

彼らが幸せそうであればそれでいい。

そこにいちいち難しい事を言って、せっかくの笑顔を曇らせたくはない。

ただ、せめてこの文章を読んだ人達は、講演会やワークショップに行って、変な事や変な意見を言う人がいても笑わないでほしい、冷たい目線を送らないでほしい。

それをしてしまうと何も言えなくなるんです。
枠が広がらないんです。
日本が成長しなくなるんです。

人はそれぞれなんですよ。

それだけです。



Posted by Naoshi at 21:00│Comments(5)
この記事へのコメント
とっても考えさせられる文章ですなー。

最近自分でも、このような報告会に対して疑問が出ることが多いです。

見たこと、聞いたこと、好きなことを話せば良いのに、コンセプトからはみ出ない様なコメントが多いのにはがっくり来ます。。。。

感じたまま話してくれたら、聞き手も感じたまま聞けるのにって思うよね。

ちなみに今日は7時から那覇の「てんぶす」でプロジェクト未来なはの報告会です。

そんな報告会をしないように、好き勝手な話して行こうと思うさー。

時間が有ったら遊びにおいでーw
Posted by daiki at 2006年03月27日 11:10
ごめん、今コメントみたやっさー☆

昨日レオにも会ったぜぇ!
Posted by daikiさんへ なおし at 2006年03月28日 01:12
ごめん、今コメントみたやっさー☆

昨日レオにも会ったぜぇ!
Posted by daikiさんへ なおし at 2006年03月28日 01:24
はぁ~ なおしさん わかるよぉ~
良薬もとりすぎは毒薬
みたいな感じよねぇ~

ちょっとした作り笑いでその場がなごんでも
そのあとも作り笑いしかできない場って
かなり苦痛だもんなぁ~

そんなときはみんなのベタな展開ぶりを
ブジャデってみればおもしろいのかもねぇ

大人の階段のぼるぅ~♪
Posted by さでぃ at 2006年03月28日 14:45
面倒くさいのはもういやですばい。
Posted by さでぃさんへ なおし at 2006年03月28日 20:38
 
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